日本刀の価値は、時代・流派・出来栄え・保存状態・伝来 ── 五つの軸で総合的に判定されます。鑑定機関が公的に発行する等級制度と、明王が査定の現場で実際に確認している審美の指標を、両面からご紹介します。
美術品として保存に値すると認められた作。市場流通の主軸を成す等級。
出来優れ、保存状態良好。コレクション価値が顕著に立ち上がる帯。
歴史的・美術的に重要と認められた作。美術館収蔵クラス。
国宝・重要文化財に準ずる銘品。市場流通は極めて稀少。
古刀・新刀・新々刀・現代刀。古刀の上作は希少性が抜群に高く、価格帯も大きく異なります。
五箇伝(山城・大和・備前・相州・美濃)を中心に、各流派の作風と銘の信頼度を確認します。
姿・地鉄・刃文の三要素を詳細に観察し、その流派・刀工内における出来の上下を判じます。
研ぎ減り・欠け・刃切れ・錆・鍛接面の隙間。保存状態は価値に直結する重要因子です。
大名家・武家・著名コレクションを経た来歴は、史料的価値を加算する大きな要素となります。
柄に納まる部分。銘・年紀・鑢目・茎尻の形状から作者と年代を判定する、最重要の鑑定箇所。
区から鋒に至る刀身本体。地鉄・刃文・姿のすべてが鑑賞・鑑定の対象。
茎に切られた刀工の名。在銘・無銘で価格は大きく変わる。鏨の運びから真贋を見る。
柄を固定する目釘を通す穴。位置と数から磨上げや改作の有無を読み解く。
刃側の区。茎との境界。研ぎ減りの度合いを示す指標となる。
棟側の区。刃区と対を成し、刀身の長さの起点となる。
刃から棟までの幅。元身幅と先身幅の比から姿を判じる。
刀身の湾曲度合い。腰反り・京反り・先反りなど、反りの位置と深さに各時代の特徴が表れる。
刃の反対側、刀身の背。庵棟・丸棟・三ツ棟の別がある。
棟区から横手までの長さ。太刀・刀・脇指・短刀の分類はこの寸法による。
切先と上身を分ける線。鎬筋から棟へ直角に走る、姿勢の要となる線。
横手から先の刃部。小切先・中切先・大切先・猪首切先など、時代と流派を映す。
切先内に焼かれた刃文。刀工の個性が最も鮮明に表れる「顔」とも称される最重要観察点。