紹介

厚藤四郎の名の由来

厚藤四郎という名は、刀身の厚さに由来します。名前を手がかりにして見ると、輪郭の長さや反りに加えて、刀身の横顔も気になってきます。

名は重ねの厚さから

東京国立博物館が所蔵する国宝の短刀に、厚藤四郎(あつしとうしろう)と呼ばれる一口があります。国立博物館の所蔵品データベース「ColBase」では、「短刀(名物 厚藤四郎)」として紹介されています。鎌倉時代、13世紀の作とされ、銘は「吉光」。『享保名物帳』に載る名物のひとつです。

「厚」の字は、この短刀の重ね、つまり刀身の厚みに由来します。刀身の長さや身幅に比べて重ねが極端に厚いという、姿そのものの特徴がそのまま号になりました。

作者は粟田口吉光

作者は粟田口吉光。京の粟田口派に属し、藤四郎吉光の名でも知られる鎌倉時代の刀工です。厚藤四郎の地鉄は精美な板目、刃文は冴えた直刃と説明されます。板目は木目のような地の肌、直刃は、刃に沿ってほぼ直線状に見える刃文です。

足利将軍家や徳川将軍家などに伝わった来歴も、この一振に残されています。

身幅と重ねを見分ける

実物を見る機会があれば、身幅と重ねを分けて見てみてください。身幅は刀身の幅、重ねは刀身の厚さを表す言葉です。正面からの輪郭に加え、見える角度から刀身の厚みにも目を向けると、名前と姿が結びつきます。

展示の角度によっては、厚さを確かめにくいこともあります。ケースに触れたり身を乗り出したりせず、見える範囲で眺めてください。全体の姿を見たあとに、地鉄の肌や刃文へ目を移すと、小さな刀身のなかにも見る場所が増えていきます。

来館前に展示を確認

所蔵先が決まっていることと、いつでも展示されていることは同じではありません。展示替えもあるため、所蔵品が常に展示されているとは限りません。来館を予定するときは、東京国立博物館の公式サイトで展示の有無を事前に確認してください。

刀の見方そのものをもう少し広げたい方は、日本刀の楽しみ方もあわせてご覧ください。

出典

情報確認日:2026年10月23日

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